Carbon Junction 私と炭素市場との交差点

CARBON JUNCTION vol.10

投稿日: 2025年11月10日

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
広報・ESG部ESG戦略室
岩下彩聖

【略歴】2014年三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、営業・リサーチ等を経て、2023年よりESG業務に従事。スタートアップ伴走プログラムJapan Inclusive Ventures Lab(JIVL)を運営。

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幼い頃から、海が好きだった。浜辺でただ波の音を聞いていたり、時には焼けるような日差しを浴びながら潮の流れに身を委ねて浮かんだりするなんでもない時間は、自分にとっては替えが利かないリラックスできる瞬間だ。

学生時代、環境経済学のゼミに所属した。環境問題に強い関心があったわけではないが、「海面上昇を引き起こす地球温暖化」や「プラスチックによる海洋汚染」のような、自分にとって身近な問題と経済学を掛け合わせて考えることが面白そうだと感じ、直感的にそのゼミを選んだ。そこで初めて「炭素に値段をつける」という考え方に触れた。環境を守ることは誰もが賛成するのに、みんな周りから見ているだけで実際に行動する人は限られている。ならば、人々の行動を促す仕組みが必要だ。そんな思いが芽生えたのはこの頃だった。炭素市場は、環境と経済をつなぐ合理的な仕組みであり、世界を動かす力を持っていると感じた。

卒業後は証券会社に入社した。事業法人部で上場企業を担当する中で、TCFD開示対応のようなESGに関する情報提供を行う機会が増えた。企業の環境意識が年々高まっていることを肌で感じるようになり、「金融の立場から環境に関わることはできないか」と考えるようになった。社内にESGに取り組む部署があると知ったとき、迷わず手を挙げた。学生時代に感じた違和感と関心が、キャリアの選択に自然とつながった瞬間だった。

社会課題の解決に向けて、ステークホルダーの挑戦に伴走する存在でありたい

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)としては、2030年に自社の温室効果ガス排出量のネットゼロ、2050年には投融資先も含めたカーボンニュートラルの達成をめざしている。制度や技術だけでなく、持続可能な社会の実現をともにめざすプレイヤーたちとともに歩むことが、私たちの役割だと感じている。私自身は、スタートアップ伴走プログラムJapan Inclusive Ventures Lab(JIVL)を担当している。スタートアップとの対話を通じて、ESG課題を起点とした新たな資金循環の可能性に触れている。特に、社会課題に挑む企業が資金調達の壁に直面する場面に立ち会うなかで、金融の果たすべき役割の大きさを実感している。

“2025年JIVLキックオフイベント(前列左から4番目が筆者)”

カーボンニュートラルの達成は、社会課題解決の重要なピースの一つだ。炭素市場はその実現に向けた有力な制度・手段であり、環境と経済の同時達成を目指す上で欠かせない存在だと思う。金融機関として、カーボンクレジット制度の活用促進に貢献し、環境価値に着目した資金の流れを後押ししたい。制度設計や市場整備が進む中で、企業や自治体、スタートアップがそれぞれの立場で挑戦できる環境を整えることが重要だ。そして、自らは「伴走者」として、あらゆるステークホルダーの挑戦に寄り添い、支える存在でありたいと願っている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の取り組み

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、MUFGの中核総合証券会社として、「MUFG Way」で定義するパーパス「世界が進むチカラになる。」をめざし、役職員一人ひとりがプロとしての専門性を磨き、変革へのチャレンジを続けています。「ESGといえばMUMSS」と想起され、ファーストコールをいただける、最も頼られる存在になりたいと考えています。

・サステナビリティ
https://www.sc.mufg.jp/company/sustainability/index.html

・Japan Inclusive Ventures Lab(スタートアップ伴走プログラム)
https://www.morganstanley.co.jp/ja/jivl

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