Carbon Junction 私と炭素市場との交差点

CARBON JUNCTION vol.8

投稿日: 2025年10月3日

ACTソリューションズジャパン株式会社
セールスマネージャー
吉良 龍人​

【略歴】2015年、丸紅株式会社に入社。2021年~Wolt Japan、2024年2月~ACT Solutions APAC PTE. LTD.(ACTシンガポール法人)に入社。2024年5月、ACTソリューションズジャパン株式会社に転じ、日本法人の立ち上げに参画。

  • コピーしました

  • X
  • Facebook
  • LinkedIn

幼少期から大学卒業まで、私はひたすらサッカーに明け暮れていた。スポーツ一色の学生生活だったため、就職活動で突然やりたいことが見つかるわけもなく、「格好良さそう」といった安直な理由で商社や広告代理店等を受けていた。そんな私を拾ってくれたのが丸紅だった。配属は穀物トレーディングの部署。そこでは語学堪能で優秀な同僚・先輩たちと出会い、大きな刺激を受けた。穀物業界には「あの人に聞けば何とかなる」と言われるような存在がいて、私は心から尊敬し、自分もいつかそうなりたいと強く憧れていた。右も左も分からない自分は劣等感を抱きつつも、「何があっても丸紅に食らいつき、しがみつく(笑)」と心に誓っていた。

ただ、スケールの大きい成熟市場での経験は学びが多い一方で「この世界で自分が新しいものを残せるのか」という問いも生まれていた。「もっと未開拓な市場に挑戦してみたい」、そう思い、欧州系テック企業Woltへ転職する。日本ではまだ存在感がなく、業界自体も十分に立ち上がっていない中で、ゼロから市場を広げる挑戦が始まった。丸紅時代には考えられなかったコールドコールをし、まずは商談の土俵に立つことからスタート。自社サービスが少しずつ市場に受け入れられていく変遷を見るのは格別で、自らの意思で主体的に動く仕事の面白さを強く感じた。  

LinkedIn経由で「外資系サステナビリティ商社、日本支社1人目の採用」と書かれたメッセージを受け取った。これが、私が初めて炭素市場に触れることとなるキッカケだった。

そんな折、LinkedIn経由で「外資系サステナビリティ商社、日本支社1人目の採用」と書かれたメッセージを受け取った。これが、私が初めて炭素市場に触れることとなるキッカケだった。「市場形成にかかわる楽しさ」を実感していたからこそ、次はより大きなポテンシャルを秘めた市場で挑戦したいと考えた。また、日本法人の立ち上げというチャレンジングな環境にも強く惹かれ、オランダに本社を置くACT  Groupへの入社を決意した。まさか自分が炭素市場に飛び込むとは思いもしなかったが、不思議と迷いはなかった。 ACTでは、サプライチェーン脱炭素化やカーボンクレジット、再エネ証書のグローバルトレーディングを通じ、上流から下流まで国内外企業のGHG排出量削減に繋がる支援を実施している。

ACTシンガポール法人だけでも15近くの国籍のメンバーが集まる国際色豊かな環境は、日々刺激に満ちている。炭素市場はEU-ETSをはじめ各国制度や国際イニシアチブが目まぐるしく変化し、日本企業が単独で最新情報を追い続けるのは難しい。だからこそ世界各国に拠点を持ち多様な脱炭素ソリューションを持つ私たちが橋渡しとなり、複雑で明確な解のない市場を共に歩むことに大きな意義があると感じている。ACTそして私自身がどのように価値提供できるかを考えることは、いま最も楽しい挑戦のひとつだ。

クレジット活用等のアクションは、気候変動対策の手段であるだけでなく、企業の競争力を高め、新しい市場機会を生み出し、ひいては経済全体の成長にも寄与し得ると考えている。ただし、こうした取り組みは複雑で、一社や一人の力には限界があるからこそ、業界全体で連携し共に仕組みを築いていくことが求められていると感じる。 かつて商社時代に憧れた「あの人に聞けば何とかなる」という存在に、いつか自分も近づきたい。そんな思いも胸に秘めながら、同じ業界の同志と共に炭素市場の未来を切り拓き、日本企業の持続的成長に貢献していきたい。

“2024 年 11月にプーケット島にて開催されたACT APACのチームビルディングにて撮影。APACのセールス・トレーディングチーム。後列向かって右から3番目が筆者”

ACTソリューションズジャパンの取り組み

記事を共有する ▶︎

  • コピーしました

  • X
  • Facebook
  • LinkedIn
< 前の記事
記事一覧へ戻る